セレモニーディレクター 斉藤 光治

「存在意義」

気が付けば、都島葬祭で働き始めて10年以上。社長を除けば自分が一番の古株です。とはいっても、葬儀業界に携わるようになったのはもっと昔のことで、約30年を超える年月が経ちます。葬儀の請負から始まり大手葬儀社の責任者まで経験し、今があります。少しの間、鉄工所で働いたことがありますが、肌が合わず葬儀業界に戻ってきました。人と人が密に関わる仕事。私にはそれが天職だということがその時はじめてわかりました。しかし、不思議なものです。斉藤家は私を除けば皆、職人気質。その中でなぜか私一人だけかたくなに葬祭業というサービス業に携わっています。何がそうさせたのかは自分にもわかりません。人とふれあうことが小さい頃からとても好きだったことは確かです。人生の半分以上を葬祭業に捧げ感じることがあります。それは「葬儀は生き物」ということ。年にたくさんのご葬儀を都島葬祭でお手伝いさせて頂いていますが、その中で、同じご葬儀と言うものは一つとしてありません。もっと言うと、30年の間同じ葬儀というものは一つもありませんでした。それは当然のことです。一人として同じ人生を歩んできた方はいらっしゃらないのですから。そして、葬儀という場にもう一つ生きているものがあります。それは、故人様とご遺族の方や会葬者の方々の思い出の中にあるストーリーです。そのストーリーから皆、自分の存在意義を確かめるのだと思います。私も同じです。この仕事をやっているとお客様に自分の存在意義を感じさせていただくことがあります。「やっぱりあんたに任せてよかったわ、ありがとう。」30年間もやっているとリピートのお客様からこの言葉をかけてもらうことがあります。最高の褒め言葉であり、私自身の存在意義を確かめられる瞬間です。色々な方のご葬儀をお手伝いさせて頂きました。故人様を見送るためにある儀式。しかし、決してそれだけの意味ではありません。一人ひとりの人間が自分の存在意義を見つめ直し、原点に立ち戻る。ご葬儀とはそんな時間を私たちに与えてくれているのではないでしょうか?一人ひとりのストーリーを大切にしたお葬式。そして私たちが生きる存在意義。そういったものを皆様に伝えていくことが出来れば幸せです。