セレモニースタッフ 藤井 夏美

「家族」から「遺族」へ

「家に帰りたい・・・。」 介護のお仕事をしていて、一番辛く切なかった言葉でした。十年間、介護の現場で多くの利用者の方のお手伝いをさせて頂き、様々な事を学び感じることが出来ました。終末期の看取りをされたご家族様からは、「家族が皆、死を受け入れることは無いよ」「頭では理解をしていても心が否定してしまう」。 例えようのない無力感から「介護とは・・・。」と感じていた時、ある利用者の方が亡くなられ都島葬祭へお参りに行きました。対応してくださったスタッフの方は、丁寧に優しく穏やかに案内をして下さったのを覚えています。それまでの経験から葬儀社の担当者は、事務的で高圧的で「してあげている」の様な態度の印象があり少々苦手でしたが都島葬祭は、全く違いました。 ご家族様の立場に立ち同じ目線で悲しみや辛さを我がことのように感じ接してくださっているように感じました。ご家族様も心を許し委ね穏やかに過ごしている表情は私たちに見せてくださる事の無い表情でした。その様子を見た時、介護の限感じました。見送られる方が居れば見送る方もいます。大切な人を見送るのが遺族であるのならば、ある意味、私たち介護従事者も遺族です。「看取り」。 家族が遺族に変わっていく瞬間に立会うのは、人生で最も大きな、インパクトの強い出来事では無いでしょうか。「遺族」として「その先」へも一緒に故人となった大切な方に伴い、その御姿がある限りお手沿いをしたいと強く思う様になりました。今、私は都島葬祭の一員として葬儀の現場に居ます。ご家族様に寄添わせて頂いていると嘗ての介護職で出会ったご利用者の方やご家族様を思い出します。大切な方を看取り、その先へご家族様と同じ「遺族」の気持ちを胸に・・・。